え?今頃?って感じですが、
英検1級2次試験の自分の体験談を書こうと思います。
今月、2次試験を控えている人がひょっとしてこのブログを見つけるかもしれないなーと思ったので。
・・・と同時に、実は合格した直後は、合格の喜びよりも
面接うまくできなかった・・・という反省の方が強すぎてなんとなく詳細レポを
UPすることができなかったんです(汗)
・・・・レポートはすべて7月の試験直後に書いて「下書き」のまま保存してあった
ものなので自分の記憶の範囲では
かなり正確です。(どんな会話をしたとか)
これから受ける人に「こんな感じ」というところだけでも伝わればいいなと思います。
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①スモールトーク
英検面接定番の自己紹介兼スモールトーク。
採点には一切影響しないと一応言われていますが、それでもこれもやはり事前準備
していないと何を話してよいやら・・・と思ったので、
わたしは今年結婚した息子の話をしました。
・・・というのも、わたしは仕事していないし、さして紹介できるプロフィールも
なかったからです。
いっそ”自己紹介”にこだわらず、その場が和んで必ず「笑顔」になるであろう話題にしようと思い、
わたしは〇〇に住んでいるので今日は~~~でここまで来ました、と軽く
話した後は、「最近あった一番うれしかった出来事は・・・」と、
息子の結婚の話をしました。
と。すると自分の目論見どおり(笑)日本人とネイティブ、2人の面接官は笑顔になって
「おめでとう」と言ってくれて、
特に日本人面接官は
「わたしたちもあなたも笑顔になれて、しかもあなたはリラックスできる、
いいお話ですね」
とニコニコとしながら言ってくれました。
なので、厳密な「自己紹介」にとらわれる必要はなくて、
面接官の笑顔を引き出す話‥‥でもいいと思います。
②スピーチ
そして、雰囲気が柔らかくなったところへ
「それでは目の前のカードを裏返してスピーチを選んでください」と日本人面接官から指示されました。
(本来は、面接官から手渡しされるものらしいですが、コロナ禍ということでトピックカードは自分の机の上にふせておいてあります)
ドキドキしながら中身を確認すると・・・
(以下、正確な質問文を覚えていないのでニュアンスは多少違うかもしれませんが
だいたいこんなようなことだったはずです)
①日本は再生エネルギーでやっていけるか?
②少数民族の言語はなくしてもいいか?
③現代ではもう”結婚”の概念は意味をなさなくなっているか?
④世界から富の格差を完全になくすことは可能か
⑤世界の農業は将来も持続可能か?
試験当日のレビューにもチラっと書きましたが、
わたしは全部のリストに目を通して、とりあえず真っ先に②を除外。
残りの4つについてはスピーチは全部練習していたので、なんとかいけそうかなと思い
とりあえず「スピーチで何も選べない!」がなかったところはラッキーでした。
通常、1分間の準備時間では「10秒でトピックを選び、残り50秒でスピーチを
組み立てろ」みたいなことを言われてますが、わたしの場合は4つのスピーチに
ついては、それほど問題じゃなかったので(対策済みだったという点で)
1分間めいっぱいつかって、「どのスピーチがQ&Aに耐えられるか?」という
基準で選んでいました。
そして選んだのが④富の格差の話。
スピーチに必要な「2つの論点」はこんな感じで話しました。
①富の格差はなくなることはなく、むしろ将来に向けて格差はますます広がると思います。たとえば最近の調査によると、今後20年間の間に現在ある仕事の50%がロボットやAIに置き換わると言われています。つまり世界の半数の人が仕事を失うのです。そしてその仕事の多くは、工場での肉体労働や事務職です。ロボットやAIの発展は、新たな仕事を生み出すという人もいますがそれは特別なスキルを持っている人だけです。
②次に教育です。教育はしばしば社会階級を決めるうえで重要な意味を持ちます。
誰が上流階級で、誰がそうでないか・・・です。高い教育を受けた人々は将来の選択肢が増えるだけでなく、より多くの知識を持ち、また自信も持つことができます。人々が受けられる教育の質やレベルは大きく違います。結果、教育の違いは金持ちと貧しい人の差を広げ、持つもの、持たざる者の格差を広げることに繋がっています。
・・・とこんな感じのことを言いました。途中でほとんど詰まることなく、
自分としては上出来くらいな出来で話せたし、ネイティブ面接官は頷いて聞いていて
くれたのでとりあえずスピーチだけについては合格ラインをクリアしたんじゃないか?
という手ごたえを感じました。
・・・・が、実際にはスピーチは7点だったので(8点いけるかと思ってた・汗)
実はもうひとつの論点として用意していた
「グローバル企業による途上国の労働力詐取問題」の話を入れるべきだった・・・と
あとから猛省。ただ、練習の段階でもこの話は時間内に収まらないことが
わかっていたので省いちゃったのです。ここがスピーチの反省点。
③質疑応答
ネイティブ面接官「あなたはAIやロボットにより、約半数の労働者が仕事を失うと言いましたが、それら仕事を失った人達の生活をどのようにサポートしたらいいと思いますか?」
わたし「とても難しい問題だと思います。(本当に難しいわ!)今のところは
失業保険や生活保護など、社会保障でサポートするしかないと思います。」
(※とっさに思いつかない!でも、沈黙だけは絶対に避けなければいけないと思ったので、こんなことしか言えませんでした)
ネイティブ面接官「それでは、あなたはベーシックインカムについてどう思いますか?
ベーシックインカムの導入を望む人もたくさんいると思いますが。」
わたし「ベーシックインカムがいいアイディアだと考える人がいることは
知っています。しかし、ベーシックインカムは国民の生活を税金で支えることになります。それらはいずれ国の財政を圧迫することになるのではないでしょうか。」
(※ここでわたし、意見の最初に賛成・反対の意思表示をしなかったことに気が付く!)
「・・・なので、わたしはベーシックインカムの導入には賛成できません。」
(↑あとから慌てて意思表示)
実はベーシックインカムについては試験数日前にYouTube動画で海外ニュースを
見ていたわたし。
そのときに「Basic income may discourage people from working hard」という意見を
目にしていてメモまでしていたのに・・・!!!
本番での緊張感から、この意見がスッポリ抜け落ちていて言いそびれました。
これを言えたらもっと説得力のある回答になったのにと、猛烈後悔したポイントです。
そしてここでネイティブからの質問は終了。
これは面接官によっていろいろ・・・だと思うのですが、わたしの面接についていえば
ネイティブ面接官よりも、日本人面接官のほうが厳しかったです。
(ニコニコしてくれたし、口調は優しいのだけど質問で厳しくツッコまれるという意味で)
日本人面接官「スーパーリッチな国とスーパープアな国との格差を埋めるためにはどうすればいいと思いますか」
わたし「教育が重要だと思います。教育は、途上国の若者の将来の仕事の選択肢を増やします。ですから、先進国は途上国の若者に対して技術伝達をするべきだと思います。」
日本人面接官「でもその教育はどうやって広めるのですか?」
わたし「たとえば日本はすでにそのような取り組みをしていると聞きました。日本の団体はアフリカの貧しい国々に学校を建てたり、給食システムを取り入れたり、文房具も配布しています。ただ金銭的な援助をするだけではなく現地の大人たちに教育の方法を教えることが重要だと思います。」
日本人面接官「うーん、そうじゃなくてさ、スーパーリッチな国とスーパープアな国は・・・」
と、日本人面接官がわたしの答えに納得してない様子でもう一度質問しようと
したところでタイムオーバー。
正直、この日本人面接官が「そうじゃなくてさ」と言ったときに、
彼がいったいどんな答えを求めていたのかわからなかったので、
タイマーに救われた~~という気持ちでした。
終わった直後の手ごたえとしては、
「スピーチ8点」「質疑応答6~7点?」くらいな自己採点だったのですが
結果を見たら
「スピーチ7点」「質疑応答8点」・・・・と、全然手ごたえと違っていて
わからないものだな・・・・って思いました。
でも、質疑応答に関して言えば、よく言われている通り、「とにかく沈黙しないこと」
がものすごく需要に思います。
「相手の質問を正しく聞き取る」が大事なのは言うまでもないけれど
それに対して、えーっとえーっと・・・答えに詰まらないように、とにかく何か
話した方がいいと思います。話しながら考える・・・ってなかなか大変ですが。
多少論点がずれてるかもしれないと感じても、自信たっぷりに答えてしまうことは
かなり重要なんだと思います。
話す内容はもちろん大事だけれど、質疑応答に関しては
「会話のキャッチボールが成り立っているか」を見られていると思うし、
そもそも「正しい答え」があるわけではないので
とにかく「私はこう思います」をハッキリ言いきってしまう・・・
これが重要なのかなと。
・・・と、これがわたしの1級面接体験詳細レポでした。
何か少しでもヒントになれば~と思います。